2012年4月3日火曜日

嵐の宴

今日は劇場でのリハーサルでした。
嵐になるとの予報のなか、強風吹き始めたころに劇場入り
夕方リハが終わった頃は電車が止まり始め
外を見れば暴風雨!!
これは帰れないなあ、と打合せをかねて劇場のカフェに。
さすがに誰もいなくて我々だけの貸し切り状態。
コーヒー頼んで後は水呑百姓でさんざん打合せをしてもまだ外は暴風雨。
さすがにおなかも減り、じゃあ〜〜〜〜呑むか?
ということでワインとつまみとパスタで宴会に(笑)。
まさかここで呑むとは〜〜と言いながら
なんだか結構盛り上がりました。
結局午後八時に雨が止んだので
無事帰途につくことが出来ました。
たまには嵐の中の宴も悪くないですね。

2012年4月2日月曜日

祇王

「祇王」というお話はあとから挿入された説話ではないかと言われています。他と文章のタッチも違うし、がっつり女人往生の話だし。本によっては挿入されている場所もまちまちです。
登場人物が細かく見れば1000人近くいる平家物語は、その98%が男性といっても過言ではありません。まさに男の物語です。きっと語り伝えていくうちに、「美しい白拍子が清盛に翻弄される」というお話は民衆にとってキャッチーだったのかもしれません。

ちょっとあらすじを見てみましょう。

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栄華を極めた清盛は、横暴な振る舞いが多かった。
白拍子(男装の舞姫)の祇王は清盛の寵愛をうけ、一家はたちまち富み栄えた。しかし三年が過ぎたころ、十六歳の若い白拍子の仏御前が清盛の屋敷、西八条邸を訪ねてくる。清盛ははじめ追い返すが、祇王のとりなしで歌を聴いてみることにした。
すると清盛は思いもよらずその歌や舞に心を奪われ、祇王を追い出し、仏を迎えることに。
祇王は「萌え出づるも枯るるも同じ野辺の草 いづれか秋にあはではつべき(草木が春に萌え出るのも(仏御前)、冬に枯れるのも(祇王)、もとは同じ道端の花。いずれも凋落の秋(飽き)にあうのが定めなのだ)」という歌を障子に書きつけて西八条邸を立ち去る。

その後祇王は、母親と妹とともにひっそりと暮らしていたが、清盛の使者を通じ、退屈しがちな仏御前を慰めるために屋敷に出向き、舞を舞うよう命じられる。
祇王は母親に説得されたこともあり、しぶしぶ屋敷に出向いた。屈辱に耐えながら、「仏も昔は凡夫なり 我らも終には仏なり いづれも仏性具せる身を へだつるのみこそかなしけれ(仏も昔は普通の人だった。私たちもしまいには仏となれるのだ。いずれも仏の本性を持つのに、それを分け隔てるのは悲しいことだ)」と泣く泣く歌った。

この屈辱に絶望した祇王は自害したいと言い出すが、母のとぢにいさめられ、二十一歳の若さで出家を決意。十九歳の妹と四十五歳の母もともに出家して嵯峨の奥の山里に庵を造り、念仏を唱えて暮らしていた。
春が過ぎ、夏が過ぎた秋の日のある晩、その庵の戸を叩く者がいた。開けてみるとそれは仏御前だった。仏御前は涙をおさえて、自分をとりなしてくれた祇王を貶めてしまったこと、 自分もいつか同じ道をたどるだろうと悟ったことなどを語り、かぶっていた衣を払いのけると、仏御前は頭を丸めていた。
祇王は仏御前を許し、四人は極楽往生を願ってひたすら念仏をとなえ、やがて往生した。

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何年か前に、「祇王」の一人語りをやった時、あなたは女性だから清盛に捨てられた女の悲しい気持ちは分かるでしょうと言われて、困ってしまったことがありました。

女性と言ってもいろいろなタイプがいるし、一概に分かると言われても〜〜。(しかも私はどちらかというと耐えるタイプじゃないし〜〜〜)正直、当時の私は、演じてはいるものの女々しい感じがしてあまり共感できませんでした。

現代的に言えば、祇王は手に職があるのだから、男に頼らず生きていけばいいんじゃないかなあ…とか(←これは永田さんの最初の感想もそうでした〜)、母親のとぢもいかにも年老いた母らしくごちゃごちゃ言っているなあとか。仏御前は若くて浅はかで…。それでもってみんなで涙で袖をぬらしてばかり〜〜〜ああ、なんだかいらいらする!

しかし、
今回、もういっぺん読み返してみたら、

あれ?なんだか分かる。

祇王の悔しさや出家しても尚、心の苦しみから逃れられないことや、愚かしいまでの母親の心配がものすごくよく分かるのです。
自分も歳をとったんだなあ、とつくづく思いました。

そして何より、仏御前という人物がたいした女性だと思えました。
彼女は自分の芸を清盛に見せたかっただけで、祇王を追い落とそうとはこれっぽっちも思っていなかった。ずっと悔やんでいて、とうとう自分から清盛の寵愛を捨ててきたのです。まだ17歳にしかならないのに。

誰の心の内にも祇王がいて仏御前がいてとぢがいる。
これは4人だけど一人の女性なのではないかと思い始めました。
今はすべての登場人物がいとおしく思えます。
みなさんは、この「祇王」に出てくる4人の女性たちをどんな風に感じるでしょうか。

そうそう、ちょいちょい出てくる清盛の勝手振りも、すごく面白いですよ。
注意して聴いてみて下さい。

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「平家物語」
【出演】語り・金子あい/波紋音・永田砂知子
【演目】祇園精舎 ・祇王 ・橋合戦・坂落 ・先帝身投
【日時】4月9日(月)19時 /10日(火)14時 、19時
【会場】座・高円寺2 (JR中央線高円寺駅北口より徒歩5分) 杉並区高円寺北2-1-2 tel.03-3223-7500 http://za-koenji.jp/guide/index.html#link2
【チケット料金】前売3,500円/当日4,000円/高校生以下1,000円(全席自由)
※当日券は開演1時間前より販売。高校生以下割引は平家物語実行委員会のみで取扱。※未就学児のご入場はご遠慮下さい。
【チケット予約・お問合せ】平家物語実行委員会 090-6707-1253 heike@parkcity.ne.jp

2012年4月1日日曜日

祇園精舎

祇園精舎の鐘の声…
誰もが暗記したことのあるあの有名な文章の続きに何が書いてあるかご存じですか?

ちょっと現代語訳をご紹介しましょう。

祇園精舎の鐘の音は、諸行無常の響きをたてる。釈迦入滅のときに白く変じたという娑羅双樹の花の色は、盛者必衰の道理を表している。ただ春の夜の夢のように儚いものである。勇猛な者もついには滅びてしまう。全く風の前の塵と同じである。驕り高ぶった人も、末永くは続かない。外国の例を探してみると、秦の趙高や唐の安禄山など、これらはみな旧主先皇の政治にも従わず、楽しみを極め、人の諫言も聞き入れることもなく、天下の乱れることを悟らずして、民衆の嘆き憂いを顧みなかったので、末永く栄華を続けること無しに滅びてしまった者どもである。近く我が国にその例を探してみると、承平の将門、天慶の純友、康和の義親、平治の信頼、これらは皆驕れる心も猛悪なこともそれぞれに甚だしかったが間もなく滅びてしまった。ごく最近では六波羅の入道、前太政大臣平朝臣清盛公と申した人の驕り高ぶり横暴な有様は言葉で言い表せないほどである。

…「栄華」という言葉は今の政治には当てはまらないけれど、この文章の後に思わず最近の我が国の政治家を並べ連ねたいほど。
読めば読むほど、今この時代に重なってきます。

原文はこの後、清盛の先祖が誰誰でもとは皇族であったが、人臣に連なり清盛の祖父正盛までは、諸国の受領(知事とか役人)だったけれど、まだ宮中に昇殿を許されなかった。と結んでいます。

有名な「諸行無常」が印象に強いこのオープニング、実はこのような乱れた世にした原因は時の為政者達だということをしっかりと言っていたのです。

192章段に及ぶ壮大な物語をたった4つほどでまとめるのは難しいですが、そんなことも頭のの隅に置きながらご覧いただければと思います。


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「平家物語」
【出演】語り・金子あい/波紋音・永田砂知子
【演目】祇園精舎 ・祇王 ・橋合戦・坂落 ・先帝身投
【日時】4月9日(月)19時 /10日(火)14時 、19時
【会場】座・高円寺2 (JR中央線高円寺駅北口より徒歩5分) 杉並区高円寺北2-1-2 tel.03-3223-7500 http://za-koenji.jp/guide/index.html#link2
【チケット料金】前売3,500円/当日4,000円/高校生以下1,000円(全席自由)
※当日券は開演1時間前より販売。高校生以下割引は平家物語実行委員会のみで取扱。※未就学児のご入場はご遠慮下さい。
【チケット予約・お問合せ】平家物語実行委員会 090-6707-1253 heike@parkcity.ne.jp

2012年3月28日水曜日

出演のおしらせ

3/30 12:20〜12:50 
FM西東京「○○ランチボックス まちともコーナー」→サイマルラジオで聴けます。
http://842fm.west-tokyo.co.jp/program.html#lunch

4/4 11:00〜11:15
文化放送「くにまるジャパン」
http://www.joqr.co.jp/japan/

4/4 14:10〜20
J-wave「Rendez-Vous」Wonderful Essence
http://www.j-wave.co.jp/original/rendezvous/essence/

2012年3月22日木曜日

言葉のリストラ

今回の平家物語公演では
4つの章段
「祇園精舎」
「祇王」
「坂落」
「先帝身投」
をやります。
平家物語の言葉は現代の言葉と文法もほとんど変わらないので、
慣れてしまうと現代語と同じように読んだり聞いたりすることが出来ます。
とはいえ、舞台では初めて聞く、というお客様にも楽しんでいただきたいので
周りの人を捕まえては「これは聞いていてニュアンスが分かるか?」と確認しまくっています。

なかでも祇王はとても長いので、
(これだけで1ステージ出来てしまう…)
全体のバランスを考えて少々カットすることにいたしました。

どの文も切り難い…しかし、心を鬼にして、まずはざくざくとカットしてみました。

声に出して読んでみます。

あら?

確かに時間的にはものすごく短くなったのですが〜〜〜、
ひどくあっさりとしてしまって
清盛の横暴な威圧感や祇王の心の内の揺れ動きがなんだかよく分からない。。。。。

「7時の平家ニュース」

だったらこれでもいいかも。

でもおもしろくない。全然面白くない。芝居としてもなんだかやりにくい〜〜〜。

750年以上にわたって磨かれてきた言葉のかずかず。
ああ、無駄な物がないんだなあとつくづく思いました。
余分に思えるような情景の描写こそが
登場人物の心情や状況をいかにあらわしているか。
武将の名前の羅列がいかにビジュアル的か。

ニュアンスがたっぷり伝わるように、リストラした言葉達をまた再雇用。

リストラすりゃいいってもンじゃないのだということをつくづく感じました。


ほどほどで参ります。
お楽しみに。

2012年3月21日水曜日

「地獄」

東日本大震災一周年の3月11日。
この一年を思うと、なんと言っていいのか言葉が見つかりません。
追悼式で岩手、宮城、福島の遺族代表が言葉を述べられました。
大切な家族を亡くされた悲しみが痛いほどに伝わり胸が締め付けられました。
犠牲者のご冥福と遺族の皆様の悲しみが癒されることを心からお祈り申し上げます。

その中で、宮城県の奥田さんの言葉が耳に残りました。

「…見渡す限りの惨状に地獄はここだと思いました。」

どこかで聞いたことがある……

なんだろうと考えてみると、
平家物語に同じような言葉が出てくるのです。

正確に言えば「地獄」という言葉が使われているわけではないのですが、
厳しい運命に翻弄されながら戦の場面が重なっていく後半などは、
まるで地獄のようだと描写している場面が少なくないのです。
何万騎もの武者達が折り重なり折り重なり倒れ伏している光景は
語っていても背筋が寒くなるほど恐ろしいものがあります。
人間の力強さも小ささもすべて描く平家物語。
歴史をくり返しながら私たちは先祖からの命をつないできたのだ
とあらためて気づかされます。

そして、その地獄は又、為政者の我執によるものだということも平家物語は描いています。

いま、この時代に平家物語を上演することは、
そうしたことをあらためて浮き彫りにするということなのかもしれません。


2012年3月19日月曜日

美術家来宅

雨模様の土曜日
はるばる(道が混んでたから)数時間かけて美術のトクマスさんがうちにやってきました。

別に、遊びに来たわけではありません(笑)。

前日の永田さんとのリハーサルの録音を聴きながら
最終的な美術と演出の打合せです。

音のイメージが加わった録音を聴きながら
トクマスさんは「おお、シーンが見える〜」と模型を見ながらごそごそ検証し始めました。

この平家物語は語り物として伝わった物語です。
とてもシンプルで、見る方聞く方の想像力が大きなポイントになります。

前回もそうだったのですが、

トクマスさんとは本当にディスカッションを綿密に重ね、私は、演出と言うよりも一体となって空間を作っている感じがします。もちろん、最終的なディテールはトクマスさんの緻密な計算によるもの!どうぞお楽しみに。
実は今回の装置には彼女のこだわりが隠れているのですが、私たち全然気づきませんでした〜〜〜。
トクマスさんのブログにもちらっとそのことが載っています!
http://to-ku-3.jugem.jp/

舞台の模型。お見せしたいけど〜〜ひ・み・つ。