林原美術館蔵 平家物語絵巻「入道死去」板に水をいてあっち死する様子 |
林原美術館蔵 平家物語絵巻 「物怪之沙汰」坪庭にしゃれこうべがごろごろと |
【物怪之沙汰、入道死去】
しゃれこうべゴロゴロ、入道はあっち死。
福原遷都を強行した清盛。新しい都は手狭で、何もなく、すこぶる評判が悪く貴族も役人も不満でした。そんな折福原の清盛の館では怪異現象がいくつも起こります。ある朝起きたらとなりに巨大な男の頭が睨んでいたり、坪庭にしゃれこうべがゴロゴロと合わさって巨大しゃれこうべになったり、音がしたり、SFXで撮影したいくらいです。
そんなことに動じる清盛ではありませんでしたが、やむなく都へ戻ります。平家衰退の予兆と言われる章段です。これを永田砂知子の波紋音だけで演奏いたします。怪異現象を具体的に表すというより、その不穏な空気や怪しさのようなものを波紋音独特の世界観で表現しています。お楽しみに。
入道死去は、説明不要なくらい、わかりやすい章段です。
治承5年、源氏追討に出発しようという矢先、清盛が熱病で倒れます。身体中高熱で、水も喉を通らず、アタアタというばかり。看病するものも熱くてたまりません。比叡山から水を汲んできて水風呂に入らせると、すぐに沸騰してしまい、筧でで水を撒いても跳ね返ってしまうほど。まるで焦熱地獄のような有様です。
奥さんの二位の尼は地獄の夢を見ます。火の車が屋敷にはいってくると牛頭馬頭が清盛をむかえにきたという。無間地獄行きの車である。
奈良の都を焼いて東大寺や興福寺を焼き滅ぼした罪を問われているのです。
二位の尼目が覚めで汗びっしょり、その話を聞いた人もあまりの恐ろしさに身の毛がよだったほどです。
もうだめそうだから遺言を聞く二位の尼。
遺言は何もない、ただし頼朝の首を取ってわしの墓の前に掛けろ!と言い残す清盛。とうとう2/4にあつち死します。
沢山の家臣がいた清盛ですが、たった1人で冥土へ向かいます。日頃作った罪業が獄卒となって迎えにに来ました。
荼毘に付された清盛の遺骨は、円実法源によって摂津国経の島に納められました。
この最後のシーンの孤独と恐ろしさがとてもいいのです。
ぜひいろいろ想像しながらご覧になってください。
本日は駆け足ですが。
劇場でお待ちしております。
当日券もございます。
お問い合わせ
09067071253
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