2013年10月8日火曜日

祇園精舎

「祇園精舎」 平家物語2012@座・高円寺2


祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらわす。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。

誰もが知っている「祇園精舎」冒頭。
教科書で必ず一度は読みましたよね〜。懐かしいですね〜。
語呂がよく美しいこの文章を暗記した(させられた)方も多いと思います。

これは2つの仏教伝説に基づいて語られているんです。
一つは、その昔インドにあった釈尊の僧院、祇園精舎には病僧を収容する無常堂と呼ぶお堂がありました。病僧が臨終となりいよいよ息を引き取ろうとする時、この無常堂の四隅にかけてあった鐘が自然と鳴り始め「諸行無常」の道理を説く経文を語ります。この「鐘の声」を聞くと病僧は心も清らかになりめでたく往生を遂げた、というもので、もう一つは、釈尊がこの世に別れを告げた時、横たわっていた床の四隅に立つ娑羅の木々が緑の葉を真っ白に変じて、まるで鶴の羽のように釈尊の上を覆った(永積安明『平家物語を読む』より)、というものです。こちらは涅槃絵などでご覧になったことがあると思います。

語られた当時、この説話は広く伝承されていたと思われ、私達よりもはるかにはっきりとしたイメージをもって聞いていたのではないでしょうか。(意味を知らなくても美しいですが、意味を知るといっそう時空を超えた響きとなって聞こえてきますよね。ガンダ〜ラが聞こえてきそう♪)病僧も釈尊も盛者も必ず衰え滅びる…これが道理であり人の世の法則であると確認しているのです。

そして、この続きに書かれていることは…

…外国の例を探してみると、秦の趙高や唐の安禄山など、これらはみな旧主先皇の政治にも従わず、楽しみを極め、人の諫言も聞き入れることもなく、天下の乱れることを悟らずして、民衆の嘆き憂いを顧みなかったので、末永く栄華を続けること無しに滅びてしまった者どもである。近く我が国にその例を探してみると、承平の将門、天慶の純友、康和の義親、平治の信頼、これらは皆驕れる心も猛悪なこともそれぞれに甚だしかったが間もなく滅びてしまった。ごく最近では六波羅の入道、前太政大臣平朝臣清盛公と申した人の驕り高ぶり横暴な有様は言葉で言い表せないほどである…

「平家物語」には1000人近い人びとが登場し、身分の上下を問わず、一人一人が己の運命を全力で生き通していく姿が力強く描かれるとともに、末法の世に世界が地獄と化していく有様が描かれています。あらゆる人がその運命に巻き込まれることを免れない。世界を包んだ大地獄の原因は何であったか。それは、時の為政者の並外れた「煩悩」「我執」が原因だったと…。(梅原猛「地獄の思想」より)

私は、平家物語の最初の章段「祇園精舎」を、むしろ、今の世に問いかけたいと思っています。
皆さんはどう感じられるでしょうか。


今回は前回とはすこし変えてみようと永田さんと話しています。どうなりますか。


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古典の言葉が躍動する!分かる!美しく衝撃的な舞台!
語り:金子あい × 波紋音:永田砂知子
「平家物語」第4回公演

【日時】10月22日(火) 19時開演
10月23日(水)14時開演 / 19時開演 ※開場は開演の30分前

【上演演目】祇園精舎、鵼、奈良炎上、維盛都落、能登殿最期

【出演】語り・金子あい、波紋音・永田砂知子

【会場】座・高円寺2 
杉並区高円寺北2-1-2 TEL: 03-3223-7500 http://za-koenji.jp/ JR中央線高円寺駅北口 徒歩5分

【料金】大人 前売3,700円/当日4,000円/高校生以下1,000円
(全席自由)※当日券は開演1時間前より販売。
※高校生以下割引はアートユニットアイプラスのみで取扱。
※未就学児のご入場はご遠慮下さい。 

【チケット取扱】
■art unit ai+(アートユニットアイプラス )
TEL: 090-6707-1253 E-mail:auaplus@gmail.com
■イープラス http://eplus.jp/(PC・携帯)
■ちけっとぽーと 
TEL: 03-5561-7714(平日10:00〜18:00)
http://www.ticketport.co.jp/
渋谷店(SHIBUYA109 2F)池袋店(池袋パルコ6F)
銀座店(銀座ファイブ1F)東京店(大丸東京11F)
新宿店(伊勢丹会館B1F)吉祥寺店(アトレ吉祥寺B1F)
横浜店(横浜駅東口ポルタ)大宮店(ソニックシティホール)

【お問合せ】
■art unit ai+(アートユニットアイプラス )
TEL: 090-6707-1253 E-mail:auaplus@gmail.com

【スタッフ】
構成・演出:金子あい 音楽:永田砂知子 美術:トクマスヒロミ 照明:横原由祐 音響:黒澤靖博 舞台監督:寅川英司+鴉屋 衣装:細田ひなこ 宣伝美術:aikaneko 協力:永田倶楽部 後援:杉並区 企画・制作: art unit ai+(アートユニットアイプラス)

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