2012年4月5日木曜日

橋合戦

チラシには書いてありませんが、今回は「橋合戦」という短いシーンを追加しました。
平家物語の醍醐味はやはり合戦のシーンの描写の迫力にあります。
昨年の「木曾義仲三話」で合戦シーンの面白さに味をしめてしまった私と永田さん、当初から選んでいる「坂落」が全く異なるシーンなので、やはり賑やかな場面も折り込もうということになりました。

この橋合戦は、平家物語の中で、源平の初めての戦です。ですから、なんとなく両軍にも力がみなぎっていて華やかだったり元気だったり、そんな感じが伝わってきます。

あらすじを見てみましょう。

「橋合戦」治承四年五月

即位の道を断たれ、平家打倒に立ち上がった後白河法皇の子・高倉宮以仁王(もちひとおう)の軍勢が、宇治橋を舞台に平家軍と戦う。平家方は序盤、劣勢に追い込まれるが、馬にイカダのような隊列を組ませて川を渡り、平等院になだれ込む。
平家物語の中で最初となる合戦場面。まだ勢いのあった平家方が勝利を収めるが、この動きが平家打倒ののろしとなり、以後、日本は源平の争乱という未曾有の動乱時代に入る。


源頼政の勧めにより平家に背いた高倉宮は、味方につけた三井寺(大津)の僧兵とともに興福寺(奈良)へと向かう。だが途中、前夜の睡眠不足がたたったのか、高倉宮は六度も落馬。そこで、追ってくる平家方に宇治橋を渡らせないよう橋板三間分をはずし、平等院でしばらく休憩を取った。平家方は橋板がないのを知らずに橋を渡ろうとしたため、先鋒の二百余騎が川に流された。
高倉宮方の僧兵の一人、筒井の浄妙明秀(じょうみょうめいしゅう)は、弓、長刀、太刀を持ち替えつつ橋桁の上を進み、蜘蛛手や十文字、とんぼ返りなどの妙技を見せながら切りまくるなど、活躍。橋の上の戦いは火が出るほど激しさを増した。
追い詰められた平家方だったが、関東武士の足利忠綱(あしかがただつな)が進み出て、「関東武者の常として、敵を目前にし、川を隔てた戦いで水の深さなど選り好みすることがあろうか」と、自ら先頭に立って馬を川に乗り入れた。忠綱は大声で指図しながら馬に隊列を組ませ、三百余騎を対岸へ上陸させた。

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言葉だけで、戦の躍動感あふれる様を表現しているのですから、是非言葉のリズムや力強さを堪能していただきたいです。場面の最後は、足利又太郎忠綱が利根川を渡った時の渡り方を大声で指図します。
「強い馬を上手に立てよ、弱い馬を下手にせよ。馬の足の立つ間は手綱をくれて歩かせよ、馬が踊り上がったら手綱を引き締めて泳がせよ。流されたものは弓の筈にとりつかせろ。手を取り組み肩を並べて渡すようにしろ。鞍壺にしっかり乗って鐙を強く踏め。馬の頭が沈んだら引き上げてやれ、強く引いてひっかぶるな。水が浸ってきたら馬の三頭の上に乗りかかれ馬には優しく、水には強く当たれ、川中で弓引くな、敵が射てもそれに応じるな、いつも兜のシコロを傾けよ、あまり傾けすぎててっぺんを射られるな。流れと直角に渡して押し流されるな。水に逆らわないで渡せや渡せ。」

思わず、ほほぉ〜と唸ってしまいました。
このハウツーなら本当に河をわたれそうな気がしてきます。
こんな具体的な描写がとても面白いんですよね。

人生で、もし、こういう場面に出くわしたら
試してみようかな、と思ってます。(笑)


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「平家物語」
【出演】語り・金子あい/波紋音・永田砂知子
【演目】祇園精舎 ・祇王 ・橋合戦・坂落 ・先帝身投
【日時】4月9日(月)19時 /10日(火)14時 、19時
【会場】座・高円寺2 (JR中央線高円寺駅北口より徒歩5分) 杉並区高円寺北2-1-2 tel.03-3223-7500 http://za-koenji.jp/guide/index.html#link2
【チケット料金】前売3,500円/当日4,000円/高校生以下1,000円(全席自由)
※当日券は開演1時間前より販売。高校生以下割引は平家物語実行委員会のみで取扱。※未就学児のご入場はご遠慮下さい。
【チケット予約・お問合せ】平家物語実行委員会 090-6707-1253 heike@parkcity.ne.jp




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