2012年3月17日土曜日

音とともに組み立てる

これは不思議ちゃん系の音なの。と永田さん
昨日はエフエム世田谷の後、永田さんとリハーサルをしました。
照明やら演出を考えるその前に、なんと言っても、語りと音をどうやって組み立てるかが決まらないと話になりません。永田さんもそれぞれの章段をどの音をメインに作っていくかがある程度はっきりしないと進むべき方向が見えないと思います。音を作るのは永田さんですが、私は、語り手として構成・演出として、この作品をどう理解し何を伝えたいのかを永田さんに伝えます。

「祇園精舎」「祇王」「坂落」「先帝身投」
それぞれの作品の「音」を考えていく課程で、面白いことに、私にとってもお話のポイントが自ずと定まってきます。音が入るから見えてくる情景や人物像など、本当に一刀彫りの彫刻のようで、中に埋まっている姿を取り出すような感じがします。

「ここはこう、ずんずんと軍隊が迫るような感じ」とか
「クレイジーな義経の目がきらっと光る感じ」とか
「じゃんじゃん矢が飛び違う音」とか
「黄昏の音」とか、感じていることを話すと
永田さんは
「え〜とたそがれ、たそがれ、これかな?いやこっちかな?」「はい、矢合わせの音ね!」と思いつく音をいろいろ提案してくれます。
まるで錬金術か魔法使いのようでした(笑)。
それを何時間も何時間も二人でああでもないこうでもない、と謎解きをしながら音を決めていくのはものすごく面白い作業です。もう、たまりません。本当にびっくりするほどお話が面白くなってきます。

しかし、この波紋音という楽器。
いくら聞いてても全く飽きないんですよねぇ。

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