2012年4月1日日曜日

祇園精舎

祇園精舎の鐘の声…
誰もが暗記したことのあるあの有名な文章の続きに何が書いてあるかご存じですか?

ちょっと現代語訳をご紹介しましょう。

祇園精舎の鐘の音は、諸行無常の響きをたてる。釈迦入滅のときに白く変じたという娑羅双樹の花の色は、盛者必衰の道理を表している。ただ春の夜の夢のように儚いものである。勇猛な者もついには滅びてしまう。全く風の前の塵と同じである。驕り高ぶった人も、末永くは続かない。外国の例を探してみると、秦の趙高や唐の安禄山など、これらはみな旧主先皇の政治にも従わず、楽しみを極め、人の諫言も聞き入れることもなく、天下の乱れることを悟らずして、民衆の嘆き憂いを顧みなかったので、末永く栄華を続けること無しに滅びてしまった者どもである。近く我が国にその例を探してみると、承平の将門、天慶の純友、康和の義親、平治の信頼、これらは皆驕れる心も猛悪なこともそれぞれに甚だしかったが間もなく滅びてしまった。ごく最近では六波羅の入道、前太政大臣平朝臣清盛公と申した人の驕り高ぶり横暴な有様は言葉で言い表せないほどである。

…「栄華」という言葉は今の政治には当てはまらないけれど、この文章の後に思わず最近の我が国の政治家を並べ連ねたいほど。
読めば読むほど、今この時代に重なってきます。

原文はこの後、清盛の先祖が誰誰でもとは皇族であったが、人臣に連なり清盛の祖父正盛までは、諸国の受領(知事とか役人)だったけれど、まだ宮中に昇殿を許されなかった。と結んでいます。

有名な「諸行無常」が印象に強いこのオープニング、実はこのような乱れた世にした原因は時の為政者達だということをしっかりと言っていたのです。

192章段に及ぶ壮大な物語をたった4つほどでまとめるのは難しいですが、そんなことも頭のの隅に置きながらご覧いただければと思います。


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「平家物語」
【出演】語り・金子あい/波紋音・永田砂知子
【演目】祇園精舎 ・祇王 ・橋合戦・坂落 ・先帝身投
【日時】4月9日(月)19時 /10日(火)14時 、19時
【会場】座・高円寺2 (JR中央線高円寺駅北口より徒歩5分) 杉並区高円寺北2-1-2 tel.03-3223-7500 http://za-koenji.jp/guide/index.html#link2
【チケット料金】前売3,500円/当日4,000円/高校生以下1,000円(全席自由)
※当日券は開演1時間前より販売。高校生以下割引は平家物語実行委員会のみで取扱。※未就学児のご入場はご遠慮下さい。
【チケット予約・お問合せ】平家物語実行委員会 090-6707-1253 heike@parkcity.ne.jp

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